育て方

アローディアの育て方|プロセラなど種類の違い、水やり・冬越しと伸びすぎたときの切り戻し

素焼き鉢に植えられたアローディア・プロセラ。灰色がかった太い幹がまっすぐ上に伸び、細いとげの列のあいだに小さな丸い緑の葉がたくさん付いている
AIで生成したイメージです
この記事の結論

アローディアは、マダガスカル南部の乾いた林に育つディディエレア科の多肉植物です。幹にとげと小さな丸い葉が並ぶ独特の姿で、春から秋はよく日に当て、土が乾いたらたっぷり水を与えます。寒さで葉を落としたら水を控え、冬は最低10℃を目安に明るい室内へ。上へよく伸びるので、背丈は切り戻しで整え、切った枝は挿し木で増やせます。

アローディア(Alluaudia)は、マダガスカル南部の「とげの森」と呼ばれる乾いた林に育つ植物です。灰色がかった幹に鋭いとげが列になって並び、そのあいだに小さな丸い葉がびっしりと付きます。サボテンにも、葉のあるふつうの木にも似ていない姿で、同じマダガスカル生まれのパキポディウムなどと並べて育てる人の多い仲間です。

この記事では、アローディアの性質と種類の違い、季節ごとの置き場所と水やり、冬越し、伸びすぎたときの切り戻しと増やし方を順にまとめます。乾いた土地の植物に共通する考え方は塊根植物・コーデックス入門にあります。

アローディアとは|とげと小さな葉が並ぶ幹

アローディアはディディエレア科という、マダガスカルだけに見られる小さな科の植物です。幹に並ぶとげは、サボテンのとげとは成り立ちが違い、そのすぐ脇に小さな葉が対になって付きます。乾く季節や寒くなる季節には葉を落とし、とげの並んだ幹だけの姿で休みます。

育て方の基本は、マダガスカルの夏型の塊根植物とよく似ています。

  • 夏型:暖かい季節に葉を茂らせて育ち、寒くなると葉を落として休む。
  • 日当たりを好む:光が足りないと幹が細くなり、葉の付き方もまばらになる。
  • 上へよく伸びる:鉢植えでも年に数cmから十数cm伸び、背丈が出やすい。

アローディアの幹のクローズアップ。鋭い灰色のとげと、小さな楕円形の緑の葉が交互に並んでいる とげのあいだに並ぶ小さな葉のイメージ。(AIで生成したイメージです)

種類の違い|よく見かける4種

日本で流通しているのは主に次の種類です。名札の名前が違っても、管理の基本は共通です。

種類姿特徴
プロセラ(A. procera)太い幹がまっすぐ上に伸びるもっとも流通が多い。丸い葉が幹に沿って並ぶ
アセンデンス(A. ascendens)幹が上へ伸び、枝は少なめ葉がやや大きく、プロセラより幹が太りやすい
ドゥモーサ(A. dumosa)細い枝が分かれ、葉はほとんど目立たない緑の枝で光合成する。とげも少なめ
モンタグナッキー(A. montagnacii)幹から枝を出し、こんもりするプロセラに似るが、枝分かれが多い

ほかにも、とげが密で枝を横に広げる種類などが少量出回ります。迷ったときは、プロセラと同じ管理から始めて問題ありません。

季節ごとの管理|置き場所と水やり

季節置き場所水やり
春(4〜5月)最低気温15℃前後で屋外へ。半日陰から慣らす新しい葉が出てから少量で再開
夏(6〜9月)よく日の当たる屋外。雨の当たらない棚の上土が中まで乾いたら、鉢底から流れるまでたっぷり
秋(10〜11月)日なたに置き、最低気温が12〜15℃になったら室内へ間隔を少しずつ空ける
冬(12〜3月)明るい室内の窓辺落葉中は月1回少量。葉が残っていれば土が乾いて数日後に少量

日当たり:生育期はできるだけ屋外の日なたで育てます。室内に長く置くと幹が細くなり、とげの間隔が間延びします。室内なら南向きの窓辺に置き、足りなければ育成ライトを足します。

水やり:生育期は乾いたらたっぷり、が基本です。葉がしおれてしわが寄ってきたら水を欲しがっている合図です。いっぽうで、乾く前に水を足し続けると根が傷むので、土の乾きを確かめてから与えます。塊根植物の水やりの考え方は塊根植物の水やりにまとめています。

用土と鉢:赤玉土・軽石・日向土などの粒の土を中心に、水はけを優先します。背が高くなると倒れやすいので、鉢は重さのある素焼き鉢や陶器鉢が向いています。配合の考え方は用土の選び方にあります。植え替えは暖かくなった4〜6月に、2〜3年に一度が目安です。

肥料:生育期に薄めた液体肥料を月1〜2回。冬は与えません。

冬越し|最低10℃を目安に

アローディアは寒さに強い植物ではありません。秋に気温が下がると葉を黄ばませて落とし、休眠に入ります。

  • 冬の最低温度は10℃が目安です。葉を落として土を乾かした大きな株なら5℃前後までしのぐこともありますが、余裕はありません。
  • 霜と凍結には耐えません。屋外やベランダでの冬越しは避けます。
  • 暖かい部屋で葉を残して冬を越す株もあります。その場合は明るさを確保し、土が乾いてから少量の水を与えます。暗く暖かい部屋では幹が間延びしやすくなります。

冬に葉がすべて落ちても、幹が硬く締まっていれば休んでいるだけです。幹の根元が柔らかくなる、黒ずむといった様子は、低温と湿った土が重なった傷みのサインです。冬の置き場所の工夫は塊根植物の冬越しが参考になります。

伸びすぎたときの切り戻しと、挿し木

アローディアは上へよく伸び、室内では天井に届くほどになることもあります。背丈を抑えたいときは、春から初夏に切り戻します。

  1. 時期は4〜6月:新しい葉が動き出してから。休眠中に切ると、切り口がなかなか乾かず傷みやすい。
  2. 好きな高さで切る:切った位置の下から新しい枝が出て、枝分かれした姿になる。
  3. 切り口を乾かす:切った直後は水を控え、切り口が乾くまで雨の当たらない場所に置く。

切り取った枝は挿し木にできます。切り口を1〜2週間ほど日陰で乾かしてから、乾いた用土に挿し、明るい日陰で管理します。根が出て新しい葉が伸び始めたら、少しずつ日に当てます。根付くまでの考え方は塊根植物の発根管理にまとめています。

とげの扱いと、置き場所の注意

アローディアのとげは鋭く、刺さると痛みが残ります。植え替えや切り戻しのときは、厚手の手袋をつけ、新聞紙を何重にも巻いて幹を持つと安全です。通り道や子どもの手が届く場所は避け、背の高い株は倒れないよう、鉢を重くするか壁際に置きます。

同じように乾いた土地のとげのある植物としては、パキポディウムが育て方の近い仲間です。並べて育てる場合も、冬の温度や水のリズムはほぼ揃えられます。

はじめての塊根植物を選ぶなら寒さへの強さ、育ちの早さ、置き場所の取りやすさで、最初の一株に向く種類を整理しています。
初心者向けの塊根植物を見る →

縁側では、球形ユーフォルビアのオベサ鉄甲(愛好家のあいだでは「オベ鉄」)を中心に、個体ごとの姿を紹介していく予定です(個体販売は準備中)。はじめの入荷は入荷通知に登録いただいた方から先にお知らせします。

よくある質問

アローディアの葉が急に落ちました。枯れたのでしょうか?

秋から冬に気温が下がって落ちたのなら、休眠に入る自然な変化です。幹を指で押して硬く締まっていれば生きています。生育期に急に落ちた場合は、水切れか、反対に土が乾かず根が傷んでいることが多いので、土の乾き具合と根元の硬さを確かめます。

室内だけで育てられますか?

育てられますが、光が足りないと幹が細く間延びします。南向きの窓辺に置き、足りなければ育成ライトを足します。春から秋に屋外の日なたへ出せると、幹が締まった姿に育ちます。

背が伸びすぎて困っています。どこで切ればいいですか?

好きな高さで切ってかまいません。切った位置の下から新しい枝が出て、枝分かれした姿になります。時期は新しい葉が動き出す4〜6月で、切った枝は切り口を乾かしてから挿し木にできます。

アローディアは塊根植物ですか?

根元が大きく太る種類ではありませんが、マダガスカルの乾いた土地に育ち、同じ地域のパキポディウムなどと一緒に「塊根植物・コーデックス」の売り場で扱われることが多い植物です。育て方もそれらとよく似ています。

縁
縁側 編集部オベサ鉄甲を中心に、塊根植物とユーフォルビアの育て方と選び方を、静かに言葉にしています。

入荷のお知らせと育て方の便りを、月に二度。

個体販売は準備中です。はじめの入荷は、登録いただいた方から先にお知らせします。