ウンカリーナの種類|ルーズリアナ・グランディディエリ・デカリーなど花色と姿の見分け方

ウンカリーナはマダガスカルだけに自生するゴマ科の仲間で、十数種が知られています。見分けの手がかりは花の色で、黄色に暗い喉ならルーズリアナ・グランディディエリ・デカリー、淡いピンクならステルリフェラ、白ならレプトカルパです。国内でよく出回るのはルーズリアナ。どの種類も夏に育ち冬に葉を落とす夏型で、管理はほぼ共通です。
ウンカリーナ(Uncarina)は、マダガスカル西部から南西部の乾いた土地だけに自生する、ゴマ科の塊根植物です。根元や幹がふくらみ、夏にはペチュニアに似たラッパ形の花を咲かせます。和名表記は「ウンカリナ」と「ウンカリーナ」の両方が使われています。
この記事では、ウンカリーナの主な種類を花の色と姿で見分けられるように整理し、最後にどの種類にも共通する育て方の要点を短くまとめます。塊根植物全体の考え方は塊根植物・コーデックス入門にあります。
ウンカリーナとは|十数種がマダガスカルだけに育つ
| 項目 | 目安 |
|---|---|
| 学名 | Uncarina(ウンカリナ属) |
| 科 | ゴマ科 |
| 自生地 | マダガスカル(西部〜南西部の乾いた低木林・石灰岩地など) |
| 種の数 | 十数種(資料により14種前後) |
| 生育型 | 夏型(春〜秋に葉を広げ、冬は落葉して休む) |
| 花 | ラッパ形。黄色が多く、ほかにピンク系・白がある |
属の名前は、果実のトゲの先にある「かぎ(鉤)」に由来するとされます。熟して乾いた果実は、先が返しのように曲がったトゲで覆われ、動物の毛に絡みついて種を運ばせます。種類によって英語では「マウストラップ・ツリー(ネズミ捕りの木)」とも呼ばれるほどで、素手で扱うと指に刺さって抜けにくいので注意が必要です。
乾いた果実と種のイメージ。トゲの先がかぎ状に曲がっている(AIで生成したイメージです)
花の色で見分ける|種類の早見表
ウンカリーナを見分けるいちばんの手がかりは花の色です。まず黄色か、ピンク系か、白かで大きく分かれます。
| 種類(学名) | 花の色 | 姿の特徴 |
|---|---|---|
| ルーズリアナ(U. roeoesliana) | 黄色・喉が暗色 | 根元が大きくふくらむ。細かい毛の葉。高さ2m前後まで |
| グランディディエリ(U. grandidieri) | 黄色・喉が暗紫色 | 根元のふくらみは控えめで、幹が立つ木らしい姿。3〜5mになる |
| デカリー(U. decaryi) | 明るい黄色・中心が暗色 | グランディディエリに似るが、花がやや小さく葉の切れ込みが深い |
| ステルリフェラ(U. stellulifera) | 淡いピンク〜紫がかったピンク | 喉が赤く、花びらに赤い筋。葉より先に花を咲かせる |
| レプトカルパ(U. leptocarpa) | 白・喉が黄色 | 白い花はこの種類だけ。50cmほどの小さな株から咲く |
黄・白・ピンクの花の色の違いのイメージ(AIで生成したイメージです)
黄色い花の種類|ルーズリアナ・グランディディエリ・デカリー
ルーズリアナ(ロエオエスリアナ)
国内でもっともよく出回るウンカリーナです。学名 Uncarina roeoesliana は、スイスの植物学者レースリ(Röösli)にちなむ名前で、ラテン語読みでは「ロエオエスリアナ」。園芸店では「ウンカリーナ・ルーズリアナ」の名前で並ぶことが多く、どちらも同じ植物を指しています。
マダガスカル南西部のごく限られた石灰岩地に自生し、高さは2m前後まで。根元がとっくり形に大きくふくらみ、そこから細い枝をまっすぐ伸ばす姿が特徴で、鉢植えで塊根らしさを楽しみやすい種類です。葉には細かい毛が密に生え、触るとビロードのような手ざわりがあります。夏に、喉の奥が暗い色をした鮮やかな黄色の花を咲かせます。
グランディディエリ
Uncarina grandidieri は、マダガスカル南部から南西部に育ち、高さ3〜5mになる種類です。花は黄色の筒形で先が5つに裂け、喉の部分が暗紫色。一日でしぼむ花を次々に咲かせます。
ルーズリアナと花はよく似ていますが、根元のふくらみは控えめで、幹が立ち上がって枝分かれする、木らしい姿になるのが違いです。塊根の丸みを見たいならルーズリアナ、小さな樹木のような枝ぶりを楽しみたいならグランディディエリ、と考えると選びやすくなります。
デカリー
Uncarina decaryi は、明るい黄色に中心が暗い花を咲かせる種類です。グランディディエリとよく似ていますが、花がひと回り小さく、葉の切れ込みが深いことで見分けます。葉は細かい毛があってややべたつき、もむと独特のにおいがします。
ピンクと白の花の種類|ステルリフェラ・レプトカルパ
ステルリフェラ
Uncarina stellulifera(ステラリフェラと表記されることもあります)は、淡いピンクから紫がかったピンクの花を咲かせる種類です。まれに白に近い花もあります。喉が赤く、花びらに赤い筋が入るのが目印です。
マダガスカル南西部の石灰岩の台地に自生し、高さは1〜2.5mほど。自生地では雨季のはじめ、葉が出るより先に花を咲かせる性質があります。
レプトカルパ
Uncarina leptocarpa は、属のなかで白い花を咲かせる唯一の種類とされます。花は白で喉が黄色。高さ50cmほどの若い株から咲きはじめるため、小さな鉢でも花を見やすい種類です。幹は太く、地中に不規則な形の塊根をつくります。
このほかにも、黄色い花でレプトカルパに近いペリエリ(U. perrieri)、樹木らしく育つペルタータ(U. peltata)など、学名のうえでは十数種が知られています。ただし国内で手に入りやすいのは、ここで紹介した数種が中心です。
どの種類にも共通する育て方
ウンカリーナは種類が違っても、夏に育ち冬に休む夏型で、管理の流れはほぼ同じです。
| 季節 | 置き場所 | 水やり |
|---|---|---|
| 春(4〜5月) | 最低気温15℃前後で屋外へ。半日陰から慣らす | 新しい葉が開いてから少量で再開 |
| 夏(6〜9月) | 日当たりのよい屋外。長雨は避ける | 土が乾いたら、鉢底から流れるまでたっぷり |
| 秋(10〜11月) | 日なたに置き、冷え込む前に室内へ | 葉が黄ばんだら間隔を空け、落葉したら止める |
| 冬(12〜3月) | 明るい室内 | 基本は与えない |
- 水は葉の有無で切り替えます。葉が出ている時期はよく水を使いますが、葉のない時期に水を与えると根や幹が傷みやすくなります。夏型の塊根植物に共通する考え方は塊根植物の水やりにあります。
- 冬は10℃前後を目安に。短い時間なら少し下回ってもしのぎますが、2℃を下回る寒さや霜には耐えません。置き場所の工夫は塊根植物の冬越しにまとめています。
- 用土は水はけを優先し、軽石などの粒の土を中心にします。配合の考え方は用土の選び方にあります。植え替えは暖かくなった4〜6月が適期です(塊根植物の植え替え)。
- 増やし方は種か挿し木。種は果実のトゲが鋭いので、手袋をして取り出します。
縁側では、球形ユーフォルビアのオベサ鉄甲(愛好家のあいだでは「オベ鉄」)を中心に、個体ごとの姿を紹介していく予定です(個体販売は準備中)。はじめの入荷は入荷通知に登録いただいた方から先にお知らせします。
よくある質問
「ルーズリアナ」と「ロエオエスリアナ」は違う種類ですか?
同じ植物です。学名 Uncarina roeoesliana をラテン語読みすると「ロエオエスリアナ」で、国内の園芸店では「ルーズリアナ」の名前で流通しています。
「ロゼオアルバ」という名前の株を見かけました。
ウンカリナ属の種名の一覧には、この名前は見当たりません。流通名だけでは種類が分からないことがあるので、購入するときは学名や花の色、写真をあわせて確かめると安心です。
塊根らしい姿を楽しむなら、どの種類がよいですか?
根元が大きくふくらむルーズリアナが向いています。グランディディエリやデカリーは幹が立ち上がる木らしい姿になりやすく、枝ぶりを楽しむ種類です。
果実のトゲは危なくないですか?
乾いた果実のトゲは先がかぎ状に曲がっていて、指や衣類に刺さると抜けにくくなります。種を採るときや片付けるときは手袋を使い、小さな子どもやペットの手の届かない場所で扱います。